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5つ星評価:★★★★☆
●目次●
プロローグ
第一章 マーダー・ゲームの宵
第二章 驚愕の朝
第三章 恐怖の夜
第四章 疑惑の日
第五章 下山の時
読者への挑戦
第六章 別れの夜明け
エピローグ
◆あらすじ◆
英都大学推理小説研究会の4人は、夏合宿と称して矢吹山のキャンプ場へやってきた。そこへ偶然一緒になった雄林大学ハイキング同好会と神南学院短期大学の面々たち。総勢17名にもなる団体で、自然の中で共になった喜びを噛み締めつつ、彼らは大いにはしゃいでいた。しかし、自然と運命の出会いを喜ぶ学生たちを、矢吹山の噴火が恐怖のどん底へ叩き落した。陸の孤島と化したキャンプ場。火山の恐怖に慄く彼らを、さらなる戦慄が襲う。噴火の混乱に紛れて殺人が起きたのだ。
一人、また一人と襲われては殺されていく学生たち。外部に助けを求められないと悟った推理小説研究会の4人は、この連続殺人事件の調査に乗り出す。細かな手がかりを元に、部長江上二郎が辿り着いた答えとは・・・?
■感想■
「和製エラリィ・クイン」有栖川有栖氏のデビュー作であり、かつ江神二郎三部作の一作目となるこの作品。非常にいいですね。単純明快な本格モノです。
外部から切り離された状況で連続殺人が起き、探偵役が助手役を引き連れて手がかりを探し出し、論理的推理を以って犯人を割り出す。王道中の王道とも言えるシチュエーションです。このパターンはコナン・ドイル依頼、100年以上のミステリの歴史上何作も出てきているはずですが、王道はやはり王道ですね。ホッとします。
クインの大ファン、論理的推理の鑑ともされる有栖川氏のデビュー作だけあって、いろいろなところに手を出し、いろいろな作法により試行錯誤しながら書き上げたという印象があります。もちろんそれらは悪く影響するものではなく、読んでいて違和感なく受け入れることができます。とくに推理小説研究会の4人のやり取りや、江神の描写などは、本当に実在する学生じゃないのかと疑うくらいリアルだったりします。
ただ、面白い情景だとは思いますが、火山の麓という場面設定には少し無理があるかも・・・ということでマイナス1つ★です。
秀作、逸作という感じではありません。そうですね・・・力作というところでしょうか。有栖川氏の“若さ”を感じる作品ですね。もちろん、デビュー作といえど、伏線もたっぷり張ってありますし、ヒントもたくさん潜んでいます。おまけに「読者への挑戦」まで入っているので、未読のかたはぜひ若き有栖川有栖に挑戦してみてください。


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